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中四国最大級規模の出力、レーザー加工機『ENSIS 3015AJ 12KW』を導入しました

こんにちは、メタルディー代表の土岐です。

当社では個人のお客様から材料の卸会社、総合商社、工務店、電機メーカー等の各種大手製造業といった様々なお客様に対し、オーダーメイドや小ロット、大量生産といった柔軟な対応と、高い金属加工技術を活かして高品質な製品をご提供しています。

加工は切断、切削、孔明け(あなあけ)、その他レーザー加工をメインとする一次加工と、組立て、溶接、メッキ、塗装までを一気通貫で承ることができるのが強み。

お客様の「これが欲しい!」にピンポイントでお応えしています。

なかでも切断については2019年にレーザー加工機『FOM2』を導入し、出力4,000Wでのスピーディーな処理を実現してきました。

急なニーズにもお応えできるようになったことで、これまで以上に早さを求めるお客様からのご依頼が増加。

そこで2023年8月には『FOM2』に代わり、レーザー加工機『ENSIS(エンシス) 3015AJ 12KW』(出力12,000w)を導入しました。

出力は中四国最大規模ということもあり、各方面からたくさんのご依頼とともに、工場見学などの問い合わせも相次いでいます。

そこでここではレーザー加工機『ENSIS 3015AJ 12KW』の特徴と、メリットデメリット、そして実際にオペレーションを担当するスタッフの生の声をご紹介していきたいと思います。

レーザー加工機『ENSIS 3015AJ 12KW』とは?

エンシスは従来の加工機『FOM2』に比べ、3倍の出力(12,000W)を誇るレーザー加工機です。

出力が3倍あることで、これまでの半分の早さで切断作業を行うことが可能になりました。

また従来のレーザー加工機がステンレスで厚さ19mm、鉄で厚さ25mmまでの板を切断していたのに対し、『ENSIS 3015AJ 12KW』はステンレスで厚さ25mm、鉄で厚さ32mmまでの切断が可能に。

これまでは大量生産に適さなかった厚みや、短納期に対応できなかった個数に対応できるようになり、すでに材料を扱う卸会社様や商社様など、これまでお取引のなかった会社様からも、多数の問い合わせやご依頼を頂いています。

『ENSIS 3015AJ 12KW』がここまでのスピードを実現できた理由には、使用するガスが従来の加工機とは異なることが挙げられます。

従来のレーザー加工機がステンレスには窒素ガス、鉄には酸素ガスを用いて切断を行っていたのに対し、『ENSIS 3015AJ 12KW』は空気の不純物をろ過することで生成された、窒素に近い成分のガスによる切断を実現。

これによって従来のガスに比べ、より厚い板を2~3倍の速さで切断することができるようになったのです。

電気代が従来の3分の1、エネルギー効率向上によりSDGsに貢献

従来の加工機が窒素ガスや酸素ガスを使用するのに対し、『ENSIS 3015AJ 12KW』は空気をろ過して窒素ガスの成分に近いガスを作り出せるようになったことで、使用する電力量も大きく変わっています。

従来機『FOM2』と『ENSIS 3015AJ 12KW』による電気代とガス代は、『ENSIS 3015AJ 12KW』が『FOM2』の3分の1という結果に。

使用するガスと電力量が少なくなることは、SDGsが掲げる目標の7番目の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、そして9番目の「産業と技術革新の基盤をつくろう」、12番目の「つくる責任、つかう責任」とも直結しています。

限りあるエネルギーを効率よく使用し、持続可能な社会の実現に貢献できるのも『ENSIS 3015AJ 12KW』の強み。

当社は金属加工の分野から、SDGsの一端を担っていきます。

担当者の声① スピードと品質の維持を心がけて

現在当社では、2名のスタッフが『ENSIS 3015AJ 12KW』のオペレーションを担当しています。

2人は先代機の『FOM2』から担当してきているため、『ENSIS 3015AJ 12KW』のリアルな違いを現場で実感。

ここではメリットとデメリット両面から、『ENSIS 3015AJ 12KW』についてご紹介します。

オペレーション担当

入社:2022年
担当業務:レーザー加工機のオペレーション、バリ取り(切断面の処理)

経歴

トラックの運転手から転職し、メタルディーに入社。入社以来、レーザー加工機のオペレーションのサポートや削り、孔明けといった細かな業務も担当している。

実感している従来機との違い

ありきたりですが、スピードの速さは一番実感しています。切断の際はまずスタート地点に穴を開けるのですが、材料が厚くなるほど時間がかかるため、最初の貫通するまでのスピードにさえ驚きますね。

スピードアップによる後工程への影響

切断後に処理(バリ取り)が必要な製品もあるのですが、切断の順番を調整し、バリ取りが必要な製品とそうでない製品などをバランスよく組み合わせているため、遅れが出ることはありません。今は故引主任が「段取り」と呼んでいる業務を担当していますが、二人体制で機械を動かしていけるよう段取りについても学んでいます。

『ENSIS 3015AJ 12KW』導入後の業務内容の変化

これまでより厚みのある材料を切断するようになったため、以前は自分で運べていた板や端材の運搬にも、フォークリフトが不可欠になりました。出来上がる製品の数も多いので、運ぶ回数も増えています。担当者としてはハードになりましたが、生産量が増えたことをこういったところからも実感しています。

導入後に配慮していること

バリ取りなどの際、数が増えているので作業の品質が落ちないように心がけています。スピードは大切ですが、先輩スタッフが守ってきた高い品質は最優先にしていきたいと思っています。

担当者の声② 生産効率の向上を製造量の大幅アップにつなげて

オペレーション主任

故引 純一(こびき じゅんいち)

入社:2019年
担当業務:レーザー加工機のオペレーション

経歴

給排水等の設備工事会社から転職し、メタルディーに入社。入社以来、レーザー加工機のオペレーションを専門に担当している。

実感している従来機との違い

『ENSIS 3015AJ 12KW』はやはり、切断や孔明けの早さがこれまでとは全く違うと感じます。操作の担当者としては、「イライラする」というのが率直な感想ですね。
「イライラする」がどういうことかというと、これまで私は機械を常に稼働させておくために、素材の種類や量を考慮しながら作業の流れを決め、機械が動いている間は他の業務を行っていました。他の機械のオペレーションを同時進行するなど、一人二役や三役をこなしてきたイメージです。
ところが『ENSIS 3015AJ 12KW』が導入されてからは、切断のスピードがあまりにも早くつきっきりになっている現状があり、他の機械を動かすには『ENSIS 3015AJ 12KW』を停めざるを得ません。
高い性能がある機械なので存分に活躍させたいのですが、処理のスピードが早過ぎて、そうできないところがもどかしいと感じています。

製造量は増えたか

納品数を数字で見ることができるので、製造量は確実に増えています。ただこれまでは「機械を止める」ということがなかったので、機械を止めることへの違和感に慣れず、製造が進んでいないように感じています。

『ENSIS 3015AJ 12KW』に感じているデメリット

スピードを早くしたことで切り口の処理が必要になる製品があり、製品は大量にできるものの、後工程が追い付かない場合があることがデメリットです。この点についてはすでに対策を考えており、今後はよりスムーズに溶接や組み立てに進めていけるよう、会社全体で設備の導入などについて計画しています。

どういった注文に応えられるようになったか

これまで以上に、大量生産に対応できるようになっています。今後は後工程の必要な製品も受注できるよう、製造の流れを柔軟に変えていきたいと考えています。

『ENSIS 3015AJ 12KW』のポテンシャルをより引き出すには?

後工程をスムーズに進めるための体制づくりもそうですが、オペレーターの習熟度を上げることも必要だと感じています。
オペレーターは製品のデータをもとに切断の順序を決めていくのですが、納期や後工程がどうなっているかを把握しながら『ENSIS 3015AJ 12KW』を稼働させ、最大まで生産効率をあげていくことが、今後いかにお客様の要望に応えていけるかのポイントになると考えています。

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